建造物の現住性
(平成9年10月21日最高裁)
事件番号 平成8(あ)1154
この裁判では、
競売手続の妨害目的で自己の経営する会社の従業員を
交替で泊まり込ませていた家屋につき
放火を実行する前に右従業員らを旅行に連れ出している状況で、
同家屋に日常生活上必要な設備、備品があり、
従業員らが犯行前の約1か月半の間に十数回交替で宿泊し、
旅行から帰れば再び交替で宿泊するものと
認識していたなどの事実関係の下において、
右家屋は、刑法(平成7年法律第91号による改正前のもの)108条にいう
「現ニ人ノ居住ニ使用」する建造物に当たるかどうか
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
本件家屋は、人の起居の場所として日常使用されていたものであり、
右沖縄旅行中の本件犯行時においても、
その使用形態に変更はなかったものと認められる。
そうすると、本件家屋は、本件犯行時においても、
平成7年法律第91号による改正前の刑法108条にいう
「現ニ人ノ住居ニ使用」する建造物に当たると認めるのが相当であるから、
これと同旨の見解に基づき現住建造物等放火罪の成立を認めた
原判決の判断は正当である。
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