公立学校施設の目的外使用の許否の判断と管理者の裁量権
(平成18年2月7日最高裁)
事件番号 平成15(受)2001
この裁判では、
公立学校施設の目的外使用を許可するか否か判断は
管理者の裁量権にゆだねられているかどうかについて
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
地方自治法238条の4第4項,学校教育法85条の
上記文言に加えて,学校施設は,
一般公衆の共同使用に供することを
主たる目的とする道路や公民館等の施設とは異なり,
本来学校教育の目的に使用すべきものとして設置され,
それ以外の目的に使用することを基本的に制限されている
(学校施設令1条,3条)ことからすれば,
学校施設の目的外使用を許可するか否かは,
原則として,管理者の裁量に
ゆだねられているものと解するのが相当である。
すなわち,学校教育上支障があれば
使用を許可することができないことは明らかであるが,
そのような支障がないからといって
当然に許可しなくてはならないものではなく,
行政財産である学校施設の目的及び用途と
目的外使用の目的,態様等との関係に配慮した
合理的な裁量判断により使用許可をしないこともできるものである。
管理者の裁量判断は,許可申請に係る
使用の日時,場所,目的及び態様,使用者の範囲,
使用の必要性の程度,許可をするに当たっての支障又は
許可をした場合の弊害若しくは影響の内容及び程度,
代替施設確保の困難性など許可をしないことによる
申請者側の不都合又は影響の内容及び程度等の諸般の事情を
総合考慮してされるものであり,その裁量権の行使が
逸脱濫用に当たるか否かの司法審査においては,
その判断が裁量権の行使としてされたことを前提とした上で,
その判断要素の選択や判断過程に合理性を欠くところがないかを検討し,
その判断が,重要な事実の基礎を欠くか,
又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限って,
裁量権の逸脱又は濫用として
違法となるとすべきものと解するのが相当である。
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