著しく不公正な方法によってされた新株発行の効力
(平成6年7月14日最高裁)
事件番号 平成2(オ)391
この裁判では、
著しく不公正な方法によってされた新株発行の効力について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
新株発行は、株式会社の組織に関するものであるとはいえ、
会社の業務執行に準じて取り扱われるものであるから、
右会社を代表する権限のある取締役が新株を発行した以上、たとい、
新株発行に関する有効な取締役会の決議がなくても、
右新株の発行が有効であることは、当裁判所の判例の示すところである。
この理は、新株が著しく不公正な方法により
発行された場合であっても、
異なるところがないものというべきである。
また、発行された新株が
その会社の取締役の地位にある者によって引き受けられ、
その者が現に保有していること、あるいは新株を発行した会社が
小規模で閉鎖的な会社であることなど、原判示の事情は、
右の結論に影響を及ぼすものではない。
けだし、新株の発行が会社と取引関係に立つ第三者を含めて
広い範囲の法律関係に影響を及ぼす可能性があることにかんがみれば、
その効力を画一的に判断する必要があり、
右のような事情の有無によってこれを個々の事案ごとに
判断することは相当でないからである。
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