釈明の内容が別個の請求原因にわたる場合と裁判所の釈明権能
(昭和45年6月11日最高裁)
事件番号 昭和45(オ)52
この裁判では、
釈明の内容が別個の請求原因にわたる場合と
裁判所の釈明権能について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
釈明の制度は、弁論主義の形式的な適用による不合理を修正し、
訴訟関係を明らかにし、できるだけ事案の真相をきわめることによって、
当事者間における紛争の真の解決をはかることを目的として
設けられたものであるから、原告の申立に対応する請求原因として
主張された事実関係とこれに基づく法律構成が、
それ自体正当ではあるが、証拠資料によって
認定される事実関係との間に
喰い違いがあって、その請求を認容することができないと
判断される場合においても、
その訴訟の経過やすでに明らかになった訴訟資料、証拠資料からみて、
別個の法律構成に基づく事実関係が主張されるならば、
原告の請求を認容することができ、当事者間における紛争の
根本的な解決が期待できるにかかわらず、
原告においてそのような主張をせず、かつ、
そのような主張をしないことが明らかに
原告の誤解または不注意と認められるようなときは、
その釈明の内容が別個の請求原因にわたる結果となる場合でも、
事実審裁判所としては、その権能として、
原告に対しその主張の趣旨とするところを釈明することが
許されるものと解すべきであり、
場合によっては、発問の形式によって具体的な法律構成を示唆して
その真意を確めることが適当である場合も存するのである。
・行政書士受験生にオススメのAmazon Kindle Unlimitedで読める本
スポンサードリンク
関連記事