リラックス法学部 > コラム >条文の大切さ(テキストでわかりやすく解説されているのに六法を買って条文を読む必要あるの?)
資格試験の勉強をする際、初学者の方は、
条文よりも、テキストの説明や先生の言葉の方がわかりやすいので、
もしかしたら
「わざわざ堅苦しく、わかりにくい条文をイチイチ読む必要あるの?」と思って、
条文を読むことを怠っている方もいらっしゃるかもしれません。
結論を先に言いますと、条文を読むことはメチャクチャ重要、
というか必要です(笑)
テキストの説明や先生の言葉の根拠の元ネタは、条文です。
条文を理解するために、テキストや先生の説明があるという順番なので、
その条文を見ることを怠ると、本末転倒となります(笑)
(世の中におこるすべてのことを条文がカバーしているわけではなく、
条文で規定されていないことも世の中ではしょっちゅう起こるわけですが、
その際は、条文が規定する趣旨を咀嚼して裁判所や役所が判断をして結論を出して、
それが判例や先例となって、以後の取り扱いの基準となります。
いずれにしてもその判断はすべて条文を探して、考えるところから始まっているので、
条文を無視した判断をすることはできないのです。)
とはいえ、「条文の存在自体の重要性はわかったけど、
まだ資格試験の勉強段階だから、面倒くさいし、
テキストや先生の説明の結論だけ覚えればいんじゃね?」
と、条文を読むことを怠ろうとする人もまだいることでしょう。
まあ、気持ちはわかりますよ(笑)
しかし、法律試験の勉強はその知識自体が役に立つという意味もありますが、
それ以上に法律の世界での思考力を鍛える訓練
という意味合いがあります。
試験勉強は条文、判例、先例を情報として得る事とともに、
「条文にこう書いている」→「それをこう解釈したから」→「こういう結論となった」
という考え方にたくさん触れることで、
法律世界の方向感覚を養っていく作業でもあるのです。
ですので、条文の大切さは勉強を継続しているうちに
ジワジワ身にしみてくるところもあるので、
結局は大切さが実感できるまで読んでくださいという部分もあります。
試験に合格し、実務をするときは、実社会での様々な場面に応じて、
どの法律が適用されるかを考えてこなしていくことになりますが、
この時に条文を知らないと何をどうしてよいかわからないわけです。
試験勉強の場合はテキストや先生が解説してくれますが、
教えてくれるのは試験勉強までで、
実務は条文を自分で咀嚼し、判断し、あなたが先生になるのです。
(実際、士業やると「先生」と呼ばれますし(笑))
ですので、試験勉強で条文を読むときは、
後々のそういった力をつちかう作業もしていると意識することで、
より有意義になるのではないでしょうか。
ちなみに私が受験生時代から愛用しているのは、
三省堂の模範六法です。
とはいえ、かなりぶ厚くて持ち運びが大変なので(笑)
受験生の頃は民法、行政法、憲法、会社法あたりを
カッターで切り取って持ち運んで、電車や
仕事の休憩時間などスキマ時間にボロボロになるまで読み込みました。
後から考えると、受験生時代にここまでゴッツいものを
買わなくてよかったかなという気もします(^_^;)
気合いを入れる意味で、ゴッツいのを選びましたが、
実際試験に関係のない箇所が大半ですし、
合格後も、実務で使う新しい六法を毎年買い換える必要がありますので、
受験生時代はその試験に特化したコンパクトなものを選ぶのがよいのかなと思います。
コンパクトなものを持ち歩いて、テキストや問題にそって何度も条文を読み込んで、
もし、収録されていないようなものと出会ったら、
ネットで条文を調べるような形でよいのではないでしょうか。
(まあ、載っていないようなマニアックなものは合否に関係ないので、
調べなくてもいいかもしれませんが(笑))
まあ、各種に特化した使いやすそうな(持ち運びやすそうな)六法は色々あります。
六法を常に手元において、テキスト、問題にそって
何度も何度も条文に触れることで、だんだん、手が六法に慣れてきて、
だいたいどこに何が掲載されているかを覚えてきて、
開くスピードがアップしてきます。
だんだん「民法の総則についてはだいたいこのあたりからこのあたり、
その次に物権、債権があって、親族、相続‥」といった感じで、
「民法はこういう構成で、それぞれのボリュームがだいたいこのぐらいで‥」
と、体感で把握することで、全体像をイメージすることができ、
学習や考え方がレベルアップしていきます。
ですので、初学者の方も、コンパクトなものでよいので、
六法は必ず用意した方がよいでしょう。
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