リラックス法学部 >商法・会社法をわかりやすく解説 >商法・会社法 取締役会の決議について
取締役会の決議
取締役会の決議は、まず、
特別の利害関係を有する取締役は
議決に加わることはできません。
議決に加わることのできる取締役の過半数が出席し、
その過半数によって決議します。
定款で出席の要件、決議の要件を
これを上回る割合に定めることも可能です。
(取締役会の決議)
第三百六十九条 取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数
(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、
その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。
2 前項の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。
取締役会を行ったら、議事録を作成し、
出席した取締役及び監査役は、
これに署名、または記名・押印しなければいけません。
取締役会に参加して、
取締役会議事録に異議をとどめないものは、
その決議に賛成したものと「推定」されます。
これは決定事項により
取締役の責任問題が発生したときを想定しています。
推定ですので、反証をあげれば覆すことができます。
3 取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、
議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、
出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における
当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める
署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
5 取締役会の決議に参加した取締役であって
第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。
取締役会の決議を省略できる規定が370条にあります。
こちらは「定款で定めることができる」ものであることに
注意しましょう。
(取締役会の決議の省略)
第三百七十条 取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である
事項について提案をした場合において、当該提案につき取締役(当該事項について
議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の
意思表示をしたとき(監査役設置会社にあっては、監査役が当該提案について
異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の取締役会の決議が
あったものとみなす旨を定款で定めることができる。
特別取締役による取締役会の決議
委員会設置会社を除く取締役会設置会社で、
取締役が6人以上で、かつ取締役のうち、
1人以上が社外取締役である場合、
①重要な財産の処分および譲受け
②多額の借財
についての決議について、
あらかじめ選定した3人以上の取締役で
決めることができる旨を
定款に定めることができます。
「定款に定めることができる」
「決議できるのは2つの点だけ」
ということに注意しましょう。
(特別取締役による取締役会の決議)
第三百七十三条 第三百六十九条第一項の規定にかかわらず、
取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)が次に掲げる要件の
いずれにも該当する場合(監査等委員会設置会社にあっては、
第三百九十九条の十三第五項に規定する場合又は
同条第六項の規定による定款の定めがある場合を除く。)には、
取締役会は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は
第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項についての取締役会の決議については、
あらかじめ選定した三人以上の取締役(以下この章において「特別取締役」という。)のうち、
議決に加わることができるものの過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、
その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって
行うことができる旨を定めることができる。
一 取締役の数が六人以上であること。
二 取締役のうち一人以上が社外取締役であること。
この定款の定めがある場合、
①重要な財産の処分および譲受け
②多額の借財
についての事項を決定する取締役会に、
特別取締役以外の取締役が出席することを要しません。
ということで、今回は取締役会の決議について説明してまいりました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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