リラックス法学部 > 初学者の部屋 > 無権代理人の責任追及についてわかりやすく解説
代理人でもないのに代理人を称した者と
取引をした相手方には、
4つの取るべき手段があります。
①催告(「ニセ代理人が勝手にやったことのようですが、
契約しませんか?」と
相当の期間を定めて本人におうかがいを立てる。
相当期間内に返事がなかったら追認拒絶とみなされます)
②取消し
③無権代理人の責任追及
④表見代理の主張
今回はこのうちの
③無権代理人の責任追及について説明したいと思います。
相手方は無権代理人に対して
「あんたが勝手にやって、
本人知らないって言ってんだから、
責任取れよ」ということができるわけです。
請求できることは、
契約の履行(本人が買わないなら無権代理人のお前が買え)
or
損害賠償(お金で穴埋めしろ)
のどちらかです。
ちなみに損害賠償は、
相手方がこの代理行為が有効で契約が結べていたならば
得られたであろう利益を請求することができます。
転売して利益を得られた場合などです。
これが無権代理人の責任追及のメニューですが、
この責任追及をするには
5つの条件をクリアしている必要があります。
①無権代理であること
(無権代理人が代理権があることを証明できない)
②本人の追認がない
(本人がOKと言っているなら、
はじめから代理行為は有効なものとなり、
無権代理人に詰め腹を切らせる必要がなくなる)
③相手方が自ら取消し権を行使していない
(取消すと無権代理による契約もチャラとなり、
無権代理人の責任も無くなる)
④代理権がないことに、相手方が善意無過失
⑤無権代理人が行為能力を有する
(無権代理人が未成年者の場合は、
責任を追及することはできません。
なお、制限行為能力者でも代理人になることは可能です。
本人から代理権をもらい、
相手方と契約し成立した場合は
何の瑕疵(かし)もない有効な代理行為となります。)
この5つの条件全てを満たすときに無権代理人に対して、
責任追及をすることができます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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