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憲法判例 ポスト・ノーティス命令の合憲性
平成3年2月22日最高裁
事件番号 昭和63(行ツ)140
今回は、不当労働行為を行った会社に対して、
労働委員会が発するポスト・ノーティス命令は
憲法19条に違反するのではないのか?
と争われた事例から裁判所の示した、
ポスト・ノーティス命令の合憲性の判断を
説明いたします。
ポスト・ノーティス命令とは?
そもそも、ポスト・ノーティス命令とは
何かといいますと、
不当労働行為に対する救済方法で、
労働委員会が決めた内容の謝罪・反省文を、
不当労働行為を行った会社が
従業員が見やすい場所に提示することを
命じるものです。
この、謝罪を強制するポスト・ノーティス命令が
憲法19条に違反するのではないか
として争われました。
第十九条
思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
最高裁は、
「ポスト・ノーティス命令に
「反省」「誓約」「陳謝」
といった文言が使用されたとしても
それは労働委員会によって、
不当労働行為が認定され
関係者に周知徹底させ同様な行為の再発を
防ぐことが趣旨であり、
不当行為を行った使用者(会社など)に対して、
反省などの意思を要求することは、
この命令の本旨ではないと解されるとして、
憲法19条違反の主張はその前提を欠く」
としました。
ものすごくくだけた言い方をしますと、
ポスト・ノーティス命令によって
提示を強制される文言は
「一応の美辞麗句で書いてるだけだから、
そんなに神経質に目くじらを立てなさんな」
ということだと思います。
ですので、文言よりも
この提示の目的や実質的意味合いを含めて
憲法問題で争う話ではないということかと思います。
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