リラックス法学部 判例集 > 民法 連帯債務(432~445条)判例集

 

(履行の請求)

第四百三十二条 

数人が連帯債務を負担するときは、債権者は、

その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは

順次にすべての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。

 

 

 民法432条関連判例

・連帯債務者の一人が死亡し、その相続人が数人ある場合、

被相続人の債務の分割されたものを相続人らは承継し、

各自その承継した範囲において、

本来の債務者とともに連帯債務者となる。

(最判昭和34・6・19)

 

・連帯債務者の一人に対する債権を

他の債務者に対する債権と分離して譲渡することができる。

(大判昭和13・12・22)

 

(連帯債務者の一人についての法律行為の無効等)

第四百三十三条 

連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因があっても、

他の連帯債務者の債務は、その効力を妨げられない。

 

(連帯債務者の一人に対する履行の請求)

第四百三十四条

連帯債務者の一人に対する履行の請求は、

他の連帯債務者に対しても、その効力を生ずる。

 

(連帯債務者の一人との間の更改)

第四百三十五条

連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、

債権は、すべての連帯債務者の利益のために消滅する。

 

(連帯債務者の一人による相殺等)

第四百三十六条 

連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、

その連帯債務者が相殺を援用したときは、

債権は、すべての連帯債務者の利益のために消滅する。

 

2 前項の債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は、

その連帯債務者の負担部分についてのみ

他の連帯債務者が相殺を援用することができる。

 

(連帯債務者の一人に対する免除)

第四百三十七条 

連帯債務者の一人に対してした債務の免除は、

その連帯債務者の負担部分についてのみ、

他の連帯債務者の利益のためにも、その効力を生ずる。

 

 

民法437条関連判例

・一部免除の場合には、全部免除に比例した割合で、

連帯保証人は債務を免れる。

(大判昭和15・9・21)

 

(連帯債務者の一人との間の混同)

第四百三十八条 

連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、

その連帯債務者は、弁済をしたものとみなす。

 

(連帯債務者の一人についての時効の完成)

第四百三十九条 連帯債務者の一人のために時効が完成したときは、

その連帯債務者の負担部分については、

他の連帯債務者も、その義務を免れる。

 

 

民法439条関連

・全部の負担部分を有する連帯債務者の

一人に時効が完成した時は、

その債務につき承認による時効の中断があっても、

他の債務者はその債務を免れる。

(大判大12・2・14)

 

・本条のいう「負担部分」は、

債権者の関与なしに

債務者間の合意のみで変更する事ができる。

(大判7・4・15)

 

(相対的効力の原則)

第四百四十条 

第四百三十四条から前条までに規定する場合を除き、

連帯債務者の一人について生じた事由は、

他の連帯債務者に対してその効力を生じない。

 

(連帯債務者についての破産手続の開始)

第四百四十一条 

連帯債務者の全員又はそのうちの数人が破産手続開始の決定を受けたときは、

債権者は、その債権の全額について各破産財団の配当に加入することができる。

 

(連帯債務者間の求償権)

第四百四十二条 

連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、

その連帯債務者は、他の連帯債務者に対し、各自の負担部分について求償権を有する。

2 前項の規定による求償は、弁済その他免責が

あった日以後の法定利息及び避けることができなかった費用その他の損害の賠償を包含する。

 

 

民法442条関連判例

・連帯債務者の一人が債務を一部弁済をすれば、

その債務者は弁済額全部について他の債務者に対して

その負担部分の割合に応じた求償をなしうる。

(大判大6・5・3)

 

 

(通知を怠った連帯債務者の求償の制限)

第四百四十三条 

連帯債務者の一人が債権者から履行の請求を受けたことを

他の連帯債務者に通知しないで弁済をし、

その他自己の財産をもって共同の免責を得た場合において、

他の連帯債務者は、債権者に対抗することができる事由を有していたときは、

その負担部分について、その事由をもって

その免責を得た連帯債務者に対抗することができる。

この場合において、相殺をもってその免責を得た連帯債務者に対抗したときは、

過失のある連帯債務者は、債権者に対し、

相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。

 

2 連帯債務者の一人が弁済をし、

その他自己の財産をもって共同の免責を得たことを

他の連帯債務者に通知することを怠ったため、

他の連帯債務者が善意で弁済をし、その他有償の行為をもって免責を得たときは、

その免責を得た連帯債務者は、自己の弁済

その他免責のためにした行為を有効であったものとみなすことができる。

 

 ・民法443条関連判例

連帯債務者の一人が弁済したが、

他の連帯債務者に事後の通知をせずにいた場合でも

その後に他の連帯債務者が

事前の通知をせずに弁済をした時は、

後者は自分の弁済が有効だと前者に主張する事はできない。

(最判昭和57・12・17)

 

 

(償還をする資力のない者の負担部分の分担)

第四百四十四条 

連帯債務者の中に償還をする資力のない者があるときは、

その償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力のある者の間で、

各自の負担部分に応じて分割して負担する。

ただし、求償者に過失があるときは、

他の連帯債務者に対して分担を請求することができない。

 

民法444条関連判例

・求償者と他の資力ある債務者がいずれも負担部分が無い場合は、

無資力の償還不能部分は、平等に負担されるべきである。

(大判大3・10・13)

 

(連帯の免除と弁済をする資力のない者の負担部分の分担)

第四百四十五条 

連帯債務者の一人が連帯の免除を得た場合において、

他の連帯債務者の中に弁済をする資力のない者があるときは、

債権者は、その資力のない者が弁済をすることができない部分のうち

連帯の免除を得た者が負担すべき部分を負担する。

 

民法判例集

民法をわかりやすく解説した初学者の部屋 

試験対策・要点まとめコーナー


行政書士試験にわずか147日で合格した勉強法

行政書士受験生にオススメのAmazon Kindle Unlimitedで読める本


スポンサードリンク

関連記事