虚偽の氏名等を記載した履歴書等を作成行使した行為が有印私文書偽造、同行使罪に当たるとされた事例

(平成11年12月20日最高裁)

事件番号  平成9(あ)1227

 

この裁判では、

虚偽の氏名等を記載した履歴書等を作成行使した行為が

有印私文書偽造になるかについて裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

私文書偽造の本質は、文書の名義人と作成者との間の人格の同一性を

偽る点にあると解されるところ、原判決の認定によれば、

被告人は、Aの偽名を用いて就職しようと考え、

虚偽の氏名、生年月日、住所、経歴等を記載し、

被告人の顔写真をはり付けた押印のあるA名義の履歴書及び虚偽の

氏名等を記載した押印のあるA名義の雇用契約書等を作成して

提出行使したものであって、これらの文書の性質、機能等に照らすと、

たとえ被告人の顔写真がはり付けられ、あるいは被告人が

右各文書から生ずる責任を免れようとする意思を有していなかったとしても、

これらの文書に表示された名義人は、

被告人とは別人格の者であることが明らかであるから、

名義人と作成者との人格の同一性にそごを生じさせたものというべきである。

 

したがって、被告人の各行為について有印私文書偽造、

同行使罪が成立するとした原判断は、正当である。

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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